絵柄の話、第3回です。

微妙に絵柄の話というよりは、キャラクター造形の話に移っていくかもしれません。

「キャラクター造形」というのがどんなものかと言うと、「キャラクターの外見とその外見から伝わる内面」と定義しておきます。
また、キャラクターは、作品そのものの構築にも関わってきます。

僕の「キャラクター造形」において影響を与えたのは、第1回、第2回で紹介した作品群になりますが、その後さらに大きく影響を与えたものが2つあります。

まずはこれ。
白倉由美の作品です。

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今見るとめっちゃ顔歪んでるな。当時も歪んでたけど(笑)

やっぱり少女漫画系の絵柄なんだけど、ちょっと違うのが当時のロリコンブームの影響を受けた絵柄だったのが新鮮だったのと、他のロリコン漫画はだいたい作家が男かオタクの女性だったので、ファッションセンスが絶望的だったんだけど、白倉由美の作品は当時のロリータファッションの代表ピンクハウスの服を着ていたりして、服装のセンスが突出して良かった。
その後のエロゲーでは当たり前になった、オリジナルデザインのセーラー服も繊細な線で描かれており、とても魅力的でした。
僕はそれまではブレーザー派で、セーラー服はなんか田舎の学校のイメージがあったんだけど、この作品によってその立場は逆転しました(笑)
そして他の服はともかく、「セーラー服だけはあらゆる角度から描ける」という特殊技能を手に入れました。

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そしてもう1つの影響を受けた作品ですが、画像はみつかりませんでした。
その作品というか、キャラクターはあの有名な(たぶん有名だと思うんだけど)くりいむれもんの亜美です。

え?くりいむれもんの亜美だったらネットで画像あるでしょ!?って思うかもしれませんが、僕が好きなのは、たくさんある亜美シリーズのたった1話の亜美だけだから、画像はみつけられませんでした。

シリーズの何話目なのかも全然わからないのですが、とにかくその回だけはいつもと全然作画が違っていて、記憶では結城信輝みたいな作画だったと思います。
とにかくその回の亜美だけが好きで、ビデオで何度も見返しました。
ストーリーも全く覚えていません。絵しか見てなかったから。
タイトルも全く思い出せないので、ビデオテープの時代が終わり、DVD時代になってからは見返したいと思っても情報がないので一度も見返したことがありません。
誰か知ってたら教えてください(笑)

でもとにかく、そのたった1話の亜美の虜になっていたわけです。

そして、ここから「キャラクター造形」の話になるんですが、僕はそれまでずっと「幻夢戦記レダ」から、「戦うヒロイン」が好きでした。
だから僕も「戦うヒロイン」ばっかり描いていた。

ところが、白倉由美の描くヒロインや、くりいむれもんの亜美は間違っても戦わない(笑)
戦わないどころか、そもそも特別な特徴も無い「普通の女の子」なわけです。
普通に可愛くて、普通にエロい。
そういところがすごくリアルだと思った。
そして、これが最強だろうと。

さて、勘の良い諸君ならそろそろ話が見えてきただろう(笑)

つまり、「ときめき麻雀パラダイス」の菖蒲のベースになったのは、くりいむれもんの亜美です。
正確には亜美+白倉由美の描くヒロインですが、ベースになるのは亜美のほう。
しかも、たった1話の亜美です。

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ついでなので、「ときめき麻雀パラダイス」の全キャラについて語っておこう。

皐月菖蒲
「自由に考えていいよ」と言われたので、自分にとって最もコアな「普通に可愛い子」造形とした。

桐月弥生
プランナーの猛烈な希望により「ボーイッシュなセーラーマーズ」というオーダーで造形。幸運なことに声もセーラーマーズ(笑)
髪型や服装は、その頃同人誌で描いていた「火音(かのん)」という格闘漫画のヒロインと同じ。

涼暮水無
ナージュの舞、ナイトゥルースの藍など、バリエ作品不動の固定ロリ枠(笑)
「自宅で私服」ということで地味な服装にした。

卯月清夏
「夏の浜辺のお嬢様」という方向性でいこうということで、じゃあ麦わら帽子でロングヘアーで白いワンピースだろうと。
特定のベースになるようなキャラクターはいないし、後にも先にも同じようなキャラがいない突然変異的な造形。

神楽葉月
こちらもプランナーの猛烈な希望により、アイドル伝説えり子の朝霧 麗、ボーグマンのメモリーみたいなイメージ。
僕もどっちも好きだけど。
あと少し、「ナージュリーブル」の彩香が大人になったイメージが入ってます。

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とりあえず絵柄とキャラクター造形の話はこれで一旦おわりです。
次は、「ときめき麻雀パラダイス」の開発秘話でも書こうかな。